「ハリウッドスターといえば?」
街角でこのようなインタビューをすれば、おそらくダントツ1位でレオナルド・ディカプリオの名前が挙がることでしょう。
狂気的なまでに役に入るこむディカプリオの演技はどこで培われたのか?どのように成功を掴んだのか?
年代別にレオナルドディカプリオの映画を見て行くと気づくことがあるかもしれません。
この記事では、日本でも大人気のディカプリオが出演しているおすすめの映画を、年代が古い順に紹介していきます。
- クリッター3 (1991)
- ボディヒート (1992)
- ボーイズライフ (1993)
- ギルバート・グレイプ (1993)
- 百一夜(1995年)
- クイック&デッド (1995)
- バスケットボール・ダイアリーズ(1995)
- 太陽と月に背いて(1995)
- ⑨ロミオ+ジュリエット(1996)
- ⑩マイルーム (1996)
- ⑪ タイタニック (1997)
- ⑫ 仮面の男 (1998)
- ⑬セレブリティ (1998)
- ⑭ ザ・ビーチ (2000)
- ⑮ あのころ僕は (2001)
- ⑯ ギャング・オブ・ニューヨーク(2002)
- ⑰ キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン (2002)
- ⑱ アビエイター (2004)
- ⑲ ディパーテッド (2006)
- ⑳ ブラッド・ダイヤモンド(2006)
- ㉑ The 11th hour (2007)
- ㉒ ワールド・オブ・ライズ (2008)
- ㉓ レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで(2008)
- ㉔ シャッター・アイランド (2010)
- ㉕ インセプション (2010)
- ㉖ J.エドガー (2011)
- ㉗ ジャンゴ 繋がれざる者 (2012)
- ㉘ 華麗なるギャツビー (2013)
- ㉙ ウルフ・オブ・ウォールストリート(2013)
- ㉚ レヴェナント:蘇えりし者(2015)
- ㉛ ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019)
- レオナルドディカプリオのおすすめ映画のまとめ
クリッター3 (1991)
記念すべきレオナルド・ディカプリオの映画デビュー作品。1991年公開。
銀河系刑務所を脱獄した極悪非道モンスター「クリッター」が地球に逃げてきて大暴れするというSFコメディです。
前2作では田舎町が舞台でしたが、今回は都会に場所を移してクリッターが街中をパニックに陥れます。
第3作目では、ある親子がキャンピングカーで旅行していたさなか、突然タイヤがパンクします。車を修理するために滞在を余儀なくされましたが、その場所はかつてクリッター騒動が起こった町だったのです。修理が終わり家路を急ぐ親子。しかし、生き残っていたクリッターが車に卵を産み付けて、親子と一緒にボロアパートへ一緒に着いてきてしまい・・・というおはなし。
ディカプリオは、悪徳不動産屋の継子を演じています。
設定を聞いただけでもB級映画の匂いがプンプンする映画ですが、個人的には好きな作品です。動画を観ていただけるとお分りいただけると思うのですが、クリッターのなんとも言えないキモかわいい風貌がたまりません。
10代半ばの初々しいディカプリオを目当てに鑑賞される方が多いと思いますが、いつの間にかクリッターの魅力に取り憑かれる人が続出することでしょう。
ボディヒート (1992)
不思議な魅力を放つ少女アイヴィーが同級生シルビーの家に潜り込み、幸せな家庭を崩壊させるサスペンスです。
シルビーの父親を誘惑するアイヴィーを演じるのは、『E.T.』で脚光を浴びたドリュー・バリモア。
ヌード姿も披露した当時17歳とは思えない彼女の演技に注目です。
「あれ、ディカプリオは出ていないの?」
そう思ったあなた、ディカプリオはしっかり画面に映っています。端役として、しかもわずか数秒の出演ですが。
ディカプリオのファンの方は、彼がどのシーンに出ているか、『ウォーリーを捜せ』感覚で見つけてみてはいかがでしょうか。
ボーイズライフ (1993)
レオナルド・ディカプリオが物語の中心人物として登場している作品です。彼の才能の片鱗が垣間見える、いえ、才能がドバーッと溢れ出ている本作。
ディカプリオ扮する不良少年のトビーと母親は、暴力を振るう父親から逃げ新たな地で生活を始めます。そこに現れた男性、ドワイト。母親とドワイトは再婚しますが、実はこのドワイトという男、上辺は紳士的な態度なのですが、実は非常に傲慢な性格でありトビーに暴力を振るうようになります。
苦悩しながら1人の人間として成長していくトビーの姿に心うたれます。
見どころは、レオナルド・ディカプリオの演技力の高さ。トビーの内面を見事に表現しています。
そして、ドワイト役のロバート・デ・ニーロの存在感の強さと高い演技力にも目を奪われます。まるでデ・ニーロ本人がこんな嫌な性格なのではないか、と思わせるほどです。
ディカプリオといえば『タイタニック』ですが、個人的には彼の魅力が全てこの作品に詰まっているのではないかと考えています。『タイタニック』のレオ様しか知らないという方に是非観ていただきたいです。
ギルバート・グレイプ (1993)
24歳の青年ギルバートは、重度の知的障害を持つ弟のアーニー、過食症のため体重250kgまでになり7年間家から出たことのない母ボニー、姉妹2人の生活を1人で支えていました。
ある日、ギルバートは、トレーラーハウスで旅をしているベッキーという少女と出会います。
毎日を生きるだけで精一杯だったギルバートは、ベッキーと関わっていくなかで、家族への想いや自分の生き方を見つめなおしていきます。
兄のギルバートを演じたのは、『シザーハンズ』で既に評価を得ていたジョニー・デップ。当時彼は精神的に不安定だったと語っており、そういった心情や葛藤などが演技にも現れている気がします。
重度の知的障害をもつ難しい役を演じきり、賞賛を受けたディカプリオ。この作品で初めてアカデミー賞にノミネートされた彼の渾身の演技は、家族の在り方を考え直すきっかけを与えてくれます。
老若男女問わず、全ての方の胸を打つ作品です。
百一夜(1995年)
映画が誕生して100年を記念して制作された英仏合作映画。『冬の旅』でヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を獲得したアニエス・ヴァルダが監督をつとめています。
始めに述べますが、『百一夜』にレオナルド・ディカプリオはあまり登場してきません。
記念作品ということで、豪華なキャストが勢ぞろいです。ミシェル・ピコリ、マルチェロ・マストロヤンニ、アラン・ドロン、ロバート・デ・ニーロ、ジャンヌ・モローなど錚々たる顔ぶれです。
沢山の映画のオマージュを散りばめ、フィクションとドキュメンタリーを織り交ぜた、今は亡きアニエス・ヴェルダの独創的な演出と、懐かしの豪華俳優陣をもう一度観てみたいという映画ファンの方、必見です。
クイック&デッド (1995)
のちに『スパイダーマン』シリーズを手掛けるサム・ライミ監督による西部劇です。
西部劇では珍しく女性ガンマンが主人公で、シャロン・ストーンが熱演しています。
悪徳市長ヘロルドによって支配された街。そこで年に一度の早撃ち大会が開かれます。
ヘロルドが自らも大会に参加することを聞きつけてエレンも大会にエントリーします。父の仇を討つために。
ヘロルドに挑戦する前に、エレンは敗れてしまったかのように見えたのですが・・・。
ディカプリオをなんとか出演させたいというシャロン・ストーンたっての希望が実現し、彼は悪徳市長ヘロルドの息子役として躍動しています。
名女優にも評価された若きディカプリオ。この作品では、彼の若々しいガンマン姿を拝むことができます。
バスケットボール・ダイアリーズ(1995)
お待たせいたしました!遂にレオナルド・ディカプリオの初主演作品の登場です。
ジム・キャロルの自伝的小説『マンハッタン少年日記』を基にして制作されました。
バスケットボールに夢中で、でも思春期にありがちなちょっとした不良少年ジム。好奇心から始めたドラッグの魔の手に落ちてしまい、次々と犯罪に手を染めていき少年院に収監されてしまうのですが・・・。
ドラッグや売春のシーンがあるため、アメリカではR指定に、韓国では公開が禁止されましたた。
裏を返せば、実際の麻薬中毒者かと錯覚させるようなディカプリオの演技力が素晴らしいということです。
いまや最も有名なスターの1人であるディカプリオの初主演作、映画ファン必見の1本です。
太陽と月に背いて(1995)
アカデミー賞脚色賞にも輝いた劇作家、クリストファー・ハンプトンの同名戯曲が原作です。
舞台は19世紀のフランス。天才詩人ヴェルレーヌのもとに1通の詩が送られてきます。その詩を読み非凡な才能を感じたヴェルレーヌは、手紙の送り主である16歳の少年ランボーを自分のもとに呼び寄せます。
ランボーは気性が荒く無節操でヴェルレーヌを散々振り回すのですが、ヴェルレーヌはそれ以上にランボーの魅力に取り憑かれ、妻子がいるにも関わらず禁断の愛に溺れてしまいます。
肝心の内容は、あまり高く評価されなかった作品です。ですが、重いテーマである同性愛のシーンをあれほど忠実に再現できるディカプリオは流石の一言です。
少年のようなあどけなさと青年の凛々しさの両方を持ち合わせている、美しいレオナルドの姿を目にしたい方には是非おすすめです。
⑨ロミオ+ジュリエット(1996)
言わずと知れたシェイクスピアの戯曲『ロミオとジュリエット』を現代版にアレンジした本作。
ロミオをレオナルド・ディカプリオ、ジュリエットをのちに『ターミネーター3』にも出演したクレア・デインズが演じています。
古典を現代劇にするので、原作とは少々、いや多々設定が変更されています。
モンタギュー家とキャピュレット家の対立をマフィアの抗争に変えたり、貴族衣装や剣の代わりにアロハシャツを着て銃を撃つディカプリオが登場したり・・・。
古典の『ロミオとジュリエット』をご存知の方は、比較して観るとバカバカしく思えて(良い意味で)、楽しめるかもしれません。
⑩マイルーム (1996)
夫と離婚し女手ひとつで2人の息子を育てているリー。長男のハンクは放火の罪を犯すほどの不良少年で、リーは手を焼いていました。
そんなとき、姉のベッシーから突然連絡があります。家出して自由奔放に生きてきたリーは、20年ぶりに実家に帰ります。痴呆症の父と叔母の面倒を看ているベッシーは、白血病と闘いながらも、リーの息子ハンクの心を溶かしていきます。
リーも、ハンクやベッシーに本音をぶつけることで、徐々に姉妹関係、親子関係に変化が生まれていく、というヒューマンドラマに仕上がっています。
ディカプリオも勿論素晴らしいですが、個人的に、リー役のメリル・ストリープ、ベッシー役のダイアン・キートンの繊細な感情を表現できる演技力に脱帽しました。
家族関係のことで悩んだことのない人はいないはず。親子関係などが悪くても、きっとそれはボタンのかけ違いのようなことが原因だったりもすると思います。
人間関係に悩んでいる方へ、真正面から向き合えば人間は必ず分かり合えることを『マイルーム』は教えてくれます。
⑪ タイタニック (1997)
レオナルド・ディカプリオといえば『タイタニック』。当時の興行収入記録を塗り替えた本作は、ディカプリオの名が世界的に知られるきっかけになりました。日本では、「レオ様」という愛称も生まれ、1つのムーブメントを巻き起こしました。
実際に起きた豪華客船タイタニック号沈没事故をもとに『ターミネーター』シリーズのジェームズ・キャメロンが2億ドルともいわれる制作費をつぎこんだ超大作になりました。
主役のジャック・ドーソンをレオ様、ヒロインのローズをケイト・ウィンスレットが演じています。
賭けで勝ちタイタニック号の切符を手にした画家志望のジャックと、母親が決めたフィアンセのキャルとの結婚に思い悩んでいたローズ。海に身を投げようとしていたローズをジャックが救ったことから、2人は互いに惹かれ合い結ばれます。
その頃、船は氷山にぶつかり、徐々に浸水していきます。
その後、2人の関係に気づいたキャル。宝石泥棒の罪をジャックにきせ、ジャックは拘束されてしまいます。
一時は救命ボートに乗り込んだローズでしたが、再び船に戻りジャックを救出します。ところが、嫉妬に狂ったキャルは追いかけてきて・・・、と長いあらすじになってしまいました。申し訳ありません。個人的に思い入れが強い作品なのです。
私が高校生の頃テレビで二夜連続で放送され、当時ほとんど洋画を観なかった私ですが、切ない結末に号泣してしまいました。
ディカプリオの代表作を鑑賞したい方にはもちろんおすすめですが、莫大な制作費をかけて復元されたタイタニック号は完成度が高く、こだわりの調度品や衣装、そしてセリーヌ・ディオンの歌声も素晴らしいので、洋画をあまり観ないという方にも様々な角度から楽しんでいただける作品となっています。
⑫ 仮面の男 (1998)
アレクサンドル・デュマの原作小説『鉄仮面』を基に制作された歴史物語でありながら娯楽的要素も盛り込んだ作品です。
17世紀のパリは、太陽王と呼ばれたフィリップ14世の悪政により国力は低下し国民は飢えに苦しんでいました。
かつてフランスのために戦った三銃士は、この危機をなんとかしようと画策します。「ルイ14世には双子の弟がいて幽閉されている」という噂を聞いた彼らは牢屋に侵入します。そこにいたのは仮面の男。仮面の下にはルイ14世そっくりの顔。話してみるとその男は名をフィリップといい、ルイ14世の弟でルイ14世とは真逆の穏やかで誠実な人間でした。
三銃士は仮面の男とルイ14世を入れ替えて、平和な王朝を取り戻すために戦っていきます。
レオナルド・ディカプリオは、ルイ14世と仮面の男フィリップの二役を演じ分けています。
特筆すべきは、やはりディカプリオの演技の迫力です。「ぜったい性格悪いだろうなぁ」と感じるルイ14世のいやーな雰囲気を絶妙に表現しています。対照的に温和な性格のフィリップを演じているディカプリオをみると、本当に同一人物なのかと疑ってしまうほどです。
一人二役を見事に演じきった、ディカプリオの俳優としての実力を体現したい方は鑑賞してみてはいかがでしょうか?
⑬セレブリティ (1998)
アカデミー賞に24度もノミネートされた奇才ウディ・アレンが、セレブリティ(有名人)の内情をブラックユーモアたっぷりに描いたモノクローム作品です。
ケネス・ブラナー扮するリーは平凡な生活に嫌気がす妻と別れ、脚本と小説を書きながらセレブリティの仲間入りを果たすべく、ハリウッドスターなど有名人と接触しようとします。そんなゴタゴタがコメディタッチで進んでいきます。
ウディ・アレンの皮肉が効いた台詞や演出が満載です。ウディ・アレン好きの方におすすめしたい映画です。また、現在の米国大統領ドナルド・トランプが本人役で一瞬映りこんでいるので、彼がどのシーンに出てくるかみつけるのも楽しいかもしれません。
ディカプリオを紹介する当該記事なのですが、彼の出演時間はわずか数分。レオ様目当てで鑑賞しようとされている方はご注意ください。
⑭ ザ・ビーチ (2000)
のちに『スラムドッグ$ミリオネア』でアカデミー賞監督賞を受賞するダニー・ボイル監督作品。
レオナルド・ディカプリオにとって、21世紀最初の主演映画です。
繰り返しの日常に嫌気がさしたディカプリオ扮するリチャードはタイのバンコクへ旅をしに行きます。
そこで伝説の孤島「ビーチ」の地図のコピーを手に入れた彼は、居合わせたカップルと3人で島へ渡ります。
そこには美しいビーチの他に、一面に広がる大麻畑がありました。
楽園の秘密を守ることを条件に彼らは島で暮らすことを許可されます。
最高の生活を営んでいた彼らでしたが、若者が島に近づいて来ることで状況が変化していきます。
100本以上のオファーの中から、レオ様が選んだ本作。興行収入も映画への評価もそれほど高くないのですが、大麻に取り憑かれたレオ様の狂気じみた演技、は、恐いほど迫力があります。
⑮ あのころ僕は (2001)
若い男女が織りなす青春会話劇がモノクロで表現されています。
8人の男女が自然体で、経験した異性への悩みや将来の不安などを、90分間ダラーッとファミリーレストランでダベっている、思春期に誰もが経験したであろう光景が生々しく描かれています。
ディカプリオの他に、『スパイダーマン』のトビー・マグワイアの若々しい姿をみることができます。
実はこの映画、アメリカでは未公開作品となっています。理由は裁判沙汰。もともと商業目的でなく自主制作的に作られたものでありました。しかし、ディカプリオが有名になったが故に公開する方向に話が進みます。お金、ビジネスですね。ディカプリオらは納得いかず裁判を起こします。
結局、一悶着あり、制作してから5年後にベルリンで、翌年に日本で公開されます。
俳優同士の練習として撮影された作品なので、ディカプリオの自然体の演技いや、素に近い表情が見れるかもしれません。
⑯ ギャング・オブ・ニューヨーク(2002)
マーティン・スコセッシ監督が構想に30年を費やした作品。第75回アカデミー賞では10部門にノミネートされました。
19世紀、ニューヨークのファイブ・ポインツという名の町では、アメリカ生まれの先住人組織”ネイティヴ・アメリカンズ”とアイルランド移民の組織”デッド・ラビッツ”による利権を巡る争いがおこなわれていました。
デッド・ラビッツのリーダーでもあったレオナルド・ディカプリオ演じるアムステルダムの父親が、ネイティヴズのリーダー、ビル・ザ・ブッチャーに殺されてしまいます。
15年後、復讐を誓い町に戻ったアムステルダム。彼を待ち受けていたのはネイティヴ・アメリカンズに支配され腐敗した町。
彼は素性を隠して敵対組織に潜りこみ、復讐の機会を待つ、というスリル満点のストーリーです。
闘争シーンがリアルに再現されているので、残酷なシーンが苦手な方は視聴に注意が必要です。
俳優の鬼気迫る演技も見ものですが、音楽好きの私は主題歌をU2が担当していることに胸が熱くなりました。U2はアイルランド出身バンドで、彼らがつくる楽曲は社会情勢をテーマにしたメッセージ性の強いものが多いので、この映画にはピッタリだと感じました。
音楽好きの人にも是非おすすめの1作です。
⑰ キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン (2002)
フランク・W・アバグネイルね自伝小説をベースに、天才詐欺師アバグネイルとFBI捜査官カール・ハンラティの、世界を舞台にした壮絶な「鬼ごっこ」の物語です。
なんといっても、アバグネイル役のレオナルド・ディカプリオとカールを演じるトム・ハンクスの掛け合いや詐欺のトリックなどが面白く、2時間超の時間があっという間に過ぎていきます。
いわゆる刑事モノなのでアクション多めかと思いきや、全くの別物です。追うもの追われるものの関係のはずなのですが、2人の間に妙な絆が出来ていく過程に泣きそうになりました。
極上のヒューマンドラマです。ディカプリオ作品のなかで1番好きな映画です。おすすめです。
⑱ アビエイター (2004)
『ギャング・オブ・ニューヨーク』に引き続き再びタッグを組んだディカプリオとマーティン・スコセッシ。
実在した富豪家ハワード・ヒューズをレオナルド・ディカプリオが演じます。
父の莫大な遺産を受け継いだハワードは、その資金で映画制作や飛行機事業を手がけます。一方で、強迫性障害に苦しむハワード。
伝記作品のため物語が淡々と進んでいくので、2時間半という時間が長すぎると感じる人もいるはずです。
しかし、強迫性障害に苦しむハワードを演じきったディカプリオは見事です。いつも石鹸を持ち歩き一日に何度も手を洗うシーンや、ドアノブにさえ触れることが出来なかったり、女性の洋服を燃やしてしまうシーンは狂気を感じました。
『タイタニック』の王子様のような雰囲気とは一味も二味も違う、新しいディカプリオを発見できます。
⑲ ディパーテッド (2006)
「またか!」と言いたくなります、マーティン・スコセッシとレオナルド・ディカプリオが手を組んで3度目の作品です。アカデミー賞作品賞を受賞しています。
香港映画の『インファナル・アフェア』をリメイクした作品です。
マフィアに潜入する警察官をディカプリオが、警察に潜り込むマフィアをマッド・デイモンが演じます。
暴力描写を撮らせたら右に出るものはいないと言いたくなるスコセッシの演出は素晴らしいです。マフィアのボス役のジャック・ニコルソンも良い意味で怖いですし、主役の2人もそれぞれ心の葛藤をうまく表現できています。
しかし、個人的にはオリジナル作品のほうがクオリティが高いと感じました。
アジア映画も捨てたものではないと思います。
リメイクとオリジナルの両方を比較しながら鑑賞することで、面白さが倍増することを保証します。
⑳ ブラッド・ダイヤモンド(2006)
アフリカのシエラレオネ共和国での、いわゆる「紛争ダイヤ」を取り巻く現状を映したフィクションでありドキュメンタリーであるともいえる社会派ドラマになっています。
反政府武力組織に捕らえられ、武器調達の資金源となるダイヤ採掘労働を強いられるソロモン、ダイヤモンドの密輸業者(レオナルド・ディカプリオ)、紛争ダイヤの真相を追うジャーナリストのマディー。ダイヤに対する三者三様の想いに心うたれます。
「紛争ダイヤ」の存在は決してフィクションではありません。反政府組織は、罪のない人々に強制労働させダイヤを掘らせ、それを輸出して得た金で武器を買う。拉致され洗脳させられた少年兵に武器をもたせ戦わせる。
ダイヤモンドを購入することは、間接的とはいえ犯罪に加担することになる。
関連して私は、日本のいじめ問題について考えさせられました。いじめは周りの傍観者も間接的にいじめに参加していると。
日本という恵まれた国に生まれた私達は、どう生きていかなければならないか。本作を観て少し考えてみませんか。
㉑ The 11th hour (2007)
レオナルド・ディカプリオ自身が制作に携わり、ナビゲーターもつとめたドキュメンタリー映画です。
地球温暖化などの環境問題を取り上げ、それに対する有識者へのインタビューをおこない、ディカプリオがコメントをする、という構成になっています。
旧ソビエト連邦のゴルバチョフ元大統領や物理学者のスティーヴン・ホーキング氏などの貴重なインタビューや、絶滅動物や森林伐採などの映像に、環境問題の危機がすぐそばまで近づいていることを実感させられます。
地球にとって最大の害悪は人間であり、地球の環境を守るためには人間が絶滅するべきではないか、と思ってしまいました。
この映画を観て、私達の住む地球のことを今一度考えてみてはいかがでしょうか。
㉒ ワールド・オブ・ライズ (2008)
『グラディエーター』『ハンニバル』の監督、リドリースコットによるアクションサスペンスです。
中東のテロ組織vs CIAというありがちな設定なのでせが、アクションよりも「嘘」を駆使して敵や味方さえも騙す頭脳線に焦点をあてた作品になっていま
ディカプリオ扮する CIA工作員フェリスは、現場の最前線に立ち危険な場へ身を投じ、ラッセル・クロウ扮する上司のホフマンは、安全な場所から支持を送るだけで傲慢な仕事振り。仕事に対する対照的な向き合い方を、リドリー・スコットは的確に表現しています。
役作りのために20kg体重を増やしたラッセル・クロウ。その効果なのか、ホフマンの性格の悪さがより一層引き立っているように感じました。
サラリーマンの方なら「こういう上司いるよね」と共感できることでしょう。口先だけで実行力や能力が無い社会人にはなりたくないと、改めて思いました。
㉓ レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで(2008)
『タイタニック』の2人が再びコンビを組んだ本作。『タイタニック』では結ばれなかったディカプリオとケイト・ウィンスレットですが、今回は夫婦として熱演しています。
富裕層が集まる「レボリューショナリー・ロード」に一軒家を構え、2人の子宝にも恵まれ幸せな家庭を築いているフランク(ディカプリオ)とエイプリル(ケイト・ウィンスレット)。ですが、その幸せは長くは続きませんでした。
タイトルからしてハッピーエンドの恋愛モノを想像してしまいますが、それとは真逆の物語といっても過言ではありません。映画の半分以上は壮絶な夫婦喧嘩のシーンです。
理想ではなく現実を選択する夫、理想を求め続ける妻。どちらの立場に立って鑑賞するかで見方が変わる作品です。私はどちらかと言えば夫目線で観ましたが、胸が苦しくなりました。
理想と現実の狭間で揺れることは誰もが経験したことであり、折り合いをつけて日常を生きている人が多いと思います。理想を追うのか、現実的に生きるのか、両方を得ようとするのか。
人生の選択に迷っている方には、是非観ていただきたいです。
㉔ シャッター・アイランド (2010)
レオナルド・ディカプリオ×マーティン・スコセッシの4本目の作品です。
精神障害犯罪者だけを収容する「シャッター・アイランド」ていう孤島が舞台となっています。この島から1人の女性患者が謎のメッセージを残して失踪します。
レオナルド・ディカプリオは、この事件を解決するために島へやってくるFBI捜査官のテディを演じています。
「あなたは上映開始から何分で謎が解けるか」という映画の予告どおり、謎ときものの要素もあります。伏線がいくつも張られていますが、初見で真相がわかる人はどれだけいるでしょうか。
あまり多くは語れませんが、ディカプリオのラストの台詞が意味深で、考えさせられました。
探偵ものが好きな方におすすめできる映画です。何回か鑑賞し、伏線を全て回収する楽しみもあります。
㉕ インセプション (2010)
『ダークナイト』で知られる奇才クリストファー・ローランが構想に20年ほどの歳月をかけたオリジナル脚本で挑んだ作品です。
主人公のコブは、特殊な技術を用いて人の夢に入り込み重要な情報を引き出すことが出来る、優秀な産業スパイであり、国際指名手配がかけられていました。
そのコブのもとに、日本実業家のサイトーから遂行が困難である依頼が舞い込みます。
情報を「引き出す」のではなく、ある考えを「植え付ける」、すなわち「インセプション」という実現がほぼ不可能であるミッションでした。
サイトーは言います。「ミッションの遂行と引き換えにコブの殺人容疑を取り消し家族の元へ帰れるようにする」。コブはサイトーからの依頼を引き受け、優秀な仲間を集めて任務に挑みます。
コブをレオナルド・ディカプリオ、サイトーを我らが日本代表、渡辺謙が演じています。
正直、I.Qがとんでもなく低い私は、物語をよく理解することができませんでした。残念です。複雑な設定や夢のルールをしっかり理解したうえでないと、充分に楽しむことはできないでしょう。
しかし、クリストファー・ローランが緻密に練った脚本であることは感じとれましたし、何より映像がとても美しいです。デジタルカメラで撮影するのが一般的ですが、彼は一貫してフィルムを使い撮影することにこだわるなど、彼の映画に対する情熱がこの作品にも表れています。
綿密に練られたストーリーを、最高の映像美で堪能したい方、必見です。
㉖ J.エドガー (2011)
FBI初代長官であるジョン・エドガー・フーヴァーの半生を描く伝記ドラマ。クリント・イーストウッドが監督をつとめ、レオナルド・ディカプリオが、同性愛者でもあったフーヴァーを熱演しています。
犯罪者の指紋管理システムを構築し、科学捜査の基礎を作ったフーヴァーの表の顔、一方で、違法な手段で情報などを得て権力を手にした裏の顔を、丁寧に描いている作品です。
「人の表面だけで善悪を決めつけると、間違える」
これは映画の中の台詞ですが、思わず納得してしまいました。
善悪の判断の基準は人それぞれ違うものであり、自分の耳目で物事を判断する事が大切だと気づかせてくれる作品です。
㉗ ジャンゴ 繋がれざる者 (2012)
歯科医で賞金稼ぎでもあるシュルツに救われた黒人奴隷のジャンゴ。シュルツはジャンゴの人柄と才能を評価し、銃の扱い方と賞金稼ぎのノウハウを彼に教えます。
旅の道中で2人は、ジャンゴの妻が捕らわれている農園を突き止めます。そこは、黒人奴隷を酷使することで有名で、若き領主カルビン・キャンディが農園を支配していました。
妻を救うため、シュルツとジャンゴは農園に乗り込みます。
監督は日本でも絶大な人気を誇るクエンティン・タランティーノ。
この映画の見どころは、ズバリ豪華俳優陣の共演です。農園領主キャンディを演じたディカプリオは、王子様役よりも悪役のほうが良い演技をするなぁ、と素人ながら思ってしまいました。
そして、ジャンゴ役のジェイミー・フォックスが、ただひたすらにカッコイイです。
監督は日本でも絶大な人気を誇るクエンティン・タランティーノ。彼の作品なのでバイオレンス満載ですが、テンポ良く、登場人物1人1人を魅力的に描いているので、暴力シーンが苦手な方にも楽しんでいただける作品です。
㉘ 華麗なるギャツビー (2013)
名作家F・スコット・フィッツ・ジェラルドの小説『グレートギャツビー』が原作の『華麗なるギャツビー』。
毎晩のように盛大なパーティーを開くギャツビーの豪邸の隣に引っ越してきたニック。
謎に包まれたギャツビーでしたが、ニックにだけは自分のことを色々と話しました。
その理由は、ずっと想い続けているデイジーという女性とニックは親戚で、彼女に会いたいが為でした。
その後、ギャツビーとデイジーは再会するのですが、衝撃の結末が待っています。
私は男なので、ギャツビーのデイジーに対する異常なまでの愛に納得いくのですが、女性目線でみると重過ぎる愛は恐怖に変わりうるのかぁ、と思ったりしました。
ギャツビーをレオナルド・ディカプリオ、ニックをトビー・マグワイアが演じています。1993年の『ボーイズ・ライフ』で共演した2人は親友同士です。
監督は『ロミオ+ジュリエット』でディカプリオとタッグを組んだバズ・ラーマンです。
彼の得意とするところは、鮮やかで綺麗な映像とセットや小道具などのこだわり。
本作品でも、特にパーティーのシーンは鮮やかな衣装やメイク、豪華なセットなどが目をひきます。
アカデミー賞の衣装デザイン賞を獲得した、ハリウッドならではの華やかな衣装や映像美に酔いしれたい方におすすめしたい作品です。
㉙ ウルフ・オブ・ウォールストリート(2013)
『ディパーテッド』『シャッター・アイランド』などの名コンビ、レオナルド・ディカプリオとマーティン・スコセッシによる、実話を基にしたコメディ映画です。
学歴も人脈もないディカプリオ演じるジョーダンが、若くして証券会社を設立し49億円の年収を得るまでの道のりと、頂点から転落する顛末を描いている作品です。
月並みな感想で恐縮なのですが、お金の魔力は恐ろしいですね。幸せになるためにはある程度のお金は必要だと思うのですが、有り余る富は人間を堕落させるのではないでしょうか。
ジョーダンがドラッグを服用してまともに立つことも出来ず、階段から転げ落ちて地面を這いつくばってスポーツカーに乗るシーン。本物の薬物中毒者かと錯覚するほどのディカプリオの動きと表情には驚きました。
ディカプリオが天才と呼ばれる所以を知りたい方におすすめしたい作品です。
㉚ レヴェナント:蘇えりし者(2015)
1800年代初頭、アメリカの北西部。
狩猟中に熊に襲われて瀕死の重傷を負うヒュー・グラス。グラスを置き去りにしようとするジョン・フィッツジェラルドは、それを阻止しようとしたグラスの息子ホークを殺してしまいます。
奇跡的に生き延びたグラスは復讐を誓い、極寒の未開拓地を進んでいきます。
この物語は、実話をベースにして制作されました。
実際にこのような過酷で悲惨な現実があることを知り、胸が苦しくなりました。
ヒュー・グラス役にレオナルド・ディカプリオ、フィッツジェラルド役にトム・ハーディ。『インセプション』以来、5年ぶりの共演を果たしました。
壮大な自然が美しく撮られていて、思わず息を飲んでしまうはずです。自然光の撮影に徹底的にこだわったという映像は言葉では言い表せないほど素晴らしいです。
そしてこの作品で、酷寒の撮影に耐えて念願のオスカーを獲得したレオナルド・ディカプリオ。
自ら多くのスタントに臨み、過酷な撮影を乗り越えて栄冠を手にしたレオナルド・ディカプリオの、生々しい演技を堪能したい方におすすめです。
㉛ ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019)
クエンティン・タランティーノ監督の最新作。
1969年に起こった実在の事件「シャロン・テート殺人事件」をタランティーノが脚色して映像化にこぎつけました。
ピークを過ぎた俳優リック・ダルトンをレオナルド・ディカプリオ、専属アシスタントのクリフ・ブースをブラッド・ピットが演じています。待望のはつきょうえんです。
インターネットなどで事件の概要を下調べしてから鑑賞するのがおすすめです。クエンティン・タランティーノがこの映画に込めたハリウッドや映画への想いをより汲み取ることができます。
ハリウッドを代表する2大スターと名監督による、バイオレンスアクションあり、豪華出演人多数ね「これぞハリウッド映画」と言える作品になっています。
レオナルドディカプリオのおすすめ映画のまとめ
レオナルド・ディカプリオの出演作品を年代順に並べて紹介させていただきました。
こうしてみると、初期の作品は、『タイタニック』のジャックのようなカッコイイ王子様タイプのイメージの役が多い印象を受けます。
次第に、男臭いというか人間臭い役を演じることが増えてきました。
人間には表の顔と裏の顔があり、ディカプリオは歳を重ねるにつれてその二面性の表現技術が向上しているように感じました。
レオナルド・ディカプリオの出演作を年代順に鑑賞することで、彼の成長と変化をより感じることができるのではないでしょうか。
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